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地殻変動 DM

はじめに  GPS (GNSS) による地殻変動の監視(DM: Deformation Monitoring) は,特に固定点における最も強い関心の1つであり,プレート運動に伴う地殻変動や極域の氷床融解に伴う隆起など大きなスケールから,地下水汲み上げや間伐などによる地盤沈下の監視や採石による崖の崩壊の監視など領域からローカルスケールまで,観測・監視が行われている.  地殻変動の監視には,その推定時間間隔の着目すると2つのアプローチがある.まず,(1)観測データを数時間から1日のバッチデータ数mmオーダーの高精度で座標を決定する静止測量,そして,(2)精度は静止測量より劣るものの,観測データのサンプリング間隔(例えば1Hz や 30秒)で座標を推定するキネマティック解析である.  また,解析手法も大きく分けて2つのアプローチがある,(1) ある基準点を既知の観測点として,そこからの相対的な変動を求める基線解析,(2) 高精度な衛星時計・軌道情報を用い,1点毎に独立に解析する精密単独測位(PPP)の2つの手法がよく用いられる.ここで,(1) は2点の共通な誤差成分を相殺できる利点があり,短基線ほど高精度な座標推定が可能であるが,基線が長くなると非共通な誤差成分が大きくなり精度は劣化する.(2) はどの高精度衛星時計データを利用するかにより精度が大きく異なる.  上はGPS解析で得られた十勝沖地震による座標変動で,上から南北,東西,上下成分である.赤色・緑色の線は,それぞれ,GPS解析ソフトウエア Bernese (基線・網解析), RTNet (PPP 解析)の測位解であり,両者がよく一致しているのが分かる. 1日毎の座標階(1日の間座標は動かないことを仮定した1日あたり1座標解析値)がプロットされているが,地震の発生により,座標が数10cm変動する様子と,地震後,座標が地震時の座標変動方向にゆっくり変動している(地震による余行変動)ことが確認できる.