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GPS地震計・GPSによる地殻変動の監視

はじめに  GPS (GNSS) の主要な利用目的は,測位(positioning)であるが,リアルタイムで連続的(RTK; Real-time kinematic) に高精度測位を行うと地震による地震波の監視もできる.GPSによる地震波の監視システム「GPS地震計」は,GPS受信機・アンテナなどが破壊されない限り,従来の地震計(加速度計)で飽和する巨大地震においても,高精度で座標変動の監視を行うことができる.また.停電時でも内蔵バッテリーによりある程度の時間観測を継続できるので,地震メカニズムの研究目的にも利用できる.  現在,日本の国土地理院によるGPS連続観測網(GEONET)をはじめ,主要なGPS観測網はリアルタイムで観測データを配信できるようになっているので,このデータをリアルタイムで解析することにより,巨大地震の地震波の「ナウキャスト」や,迅速な地震メカニズムの推定,津波モデルへの入力も可能である. GPS地震計 1Hz データによる地震波伝搬のリアルタイム監視の可能性

 上に,国土地理院全国GPS観測網の1HzデータをPPP解析して得られた,2011年3月の東北地方太平洋沖地震の地震波伝搬の動画を示す.GPS衛星時計データとして,Veripos社が独自の2G網(GPS+GLONASS)を使ってリアルタイムで生成している衛星時計を用いた.  このアニメーションでは実際の時間の進行と対応するよう,1秒間隔で変化するように作成した.ここでリアルタイム衛星時計はインターネット経由でリアルタイムで取得できるので,ソフトウエアのインフラを用意することで,実際に地震波のリアルタイム監視が可能であることが示唆される.この情報に基づき,地震波伝搬の様子を携帯電話などの通信媒体にリアルタイムで転送し,いつ大きな揺れが到着するかリアルタイムで監視予測することが可能になる.