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GPS(GNSS)による電離層の観測

はじめに  GPS (GNSS) 測量において,大きな大気遅延は電離層遅延である.GPSは2周波の観測を行うことから,電離層の分散性(周波数依存の遅延)を利用することにより,2周波観測では電離層の影響をほぼ除去することができる(電離層遅延高次項は残る).  2周波の搬送波位相観測データを使うと,比較的簡単に視線総電子数(STEC; Slant total electron content) を求めることができるが,この情報は,電離層擾乱の監視(宇宙天気,Space weather)や電離層擾乱の研究などに使われている.  上にGPS (GLONASS や QZSS も利用可能)で得られる鉛直総電子数(VTEC)の概念図を示す.ここでは,電離層が高度350km付近に薄い球殻内に存在すると仮定する.GPS衛星で観測される衛星方向の総電子数(電子の積算値)がその球殻内にあるので,それを地表に投射することにより,観測網周辺のVTECの情報が得られる.  上の図は国土地理院全国GPS観測網(GEONET)データを RTNet で解析して得られたVTECのスナップショット(2005年 DOY 236 12:20 UTC) である.北東から南西方向の軸に垂直な波形が見られるが,これは,(Traveling Ionosphere Disturbance; TID)という電離層擾乱現象としてしられている.  上の図では日本列島の形状に類似した分布が7個見られるが,これは,最初の図で示したように,7個の衛星で観測されるVTECに対応するものである.